「14の胎内回帰




 模造から解き放たれて 僕を待つのは休らぎの空間
 僕は砂に染み込む一滴の水になる
 母の海に辿り着く為に
 電車.... 僕を慰める唯一の時
 人々の微笑ましき視線
 耳元をくすぐるなまめかしい風
 電車.... それは海であり母だった
 稲穂達はおとぎ話のように微笑みかける
 幼年期に戻っていた
 人々は幸せだ 彼らは”何も”知らない
 僕はいつの間にか泣き出していた
 ああいつも背中を見守り続けていてくれた あなた....
 いつかあなたの元にいけますように
 そしてその大きくて優しい胸で抱き締めてください
 




               by ひかる  1993/5/15