「愛知万博」


 大抵は人の良い僕の親父
 何かを秘めていそうで秘めていない 優しくクリスチャンとしての信念を持つ父
 最近とみに増えたにこやかな笑顔は何かを達観したのか
 無茶苦茶な僕のろくでなし生活をも受け入れている父

 去年両親と出かけた愛知万博
 炎天下の2時間の行列を一人抜けてお盆と一緒に3人分のジュースを買ってくる
 後列の人垣を越えて 仕切り綱をまたぎ 可愛らしく しかし不思議な威厳を持って にこやかに冷たいものを振舞う

 父はツアーのアンケートに書いていた「夏の家族旅行のいい思い出が出来ました」
 僕は来年もう60になる父や母の死を感じ始めている
 思い出に潰れがちな僕
 悲しく思い出に潰れる日々が来るのだろうか
 でも僕は親不孝をやめられないし やめるべきでもないと思っている


     by ひかる 2006/5/21