秋
父よ、秋です。朝です。
あたらしい日光です。
山々がなんとまじめに、物思わしげに横たわり、
木々がなんと単純に落葉していることでしょう。
旅びとの川が遠くから今朝着きました。
椋鳥の一群が今日はじめて野に散りました。
まるい、明るい、粟の穂が
老いたる者のたなごころの上で鳴ります。
はげいとう
雁来紅の赤い、村落の見える風景から、
あなたの青空の雲を追いやらないで下さい。
すべての到着したものは此処に滞在し、
古くから在るものはいよいよ処を得るでしょう。
豊かな形象にそれぞれ秩序の陰影をあたえ、
もっとも貧しい者をも
「在ること」の偉大で鼓舞して下さい。
わたしも今日は遠く行かず、
家をいで、立ちどまり、やがて帰り、
つねに周囲の空間を身に感じ、
深く目ざめて世界と共にあるでしょう。