「晩酌のたびに」


 昔親父は楽器を練習する俺のそばで
 つまみを食いながら晩酌をやっていた
 俺は軽蔑し うるさいと言わんばかりに舌打ちを繰り返した
 親父は遠慮するように物音を立てないように慎重に喰い 飲んでいた
 今の俺は人生のおそらく本当の辛さを知った
 俺も毎日晩酌をしている
 ある種惨めに 酔ってくらくらする世界の中で 一生懸命つまみを漁っていると
 親父に申し訳ないことをした
 もっと解ってやるべきだったと
 あの日の親父のように惨めに晩酌をしている俺は
 親父に本当に申し訳ないことをしたと悔いている


    by ひかる 2005/1/5