文体論
1. 第一に必要なのは生命である。文体は生きていなければならない。
2. 文体は、君が伝達しようとするごく特定の人たちを考えに入れて、君にふさわしいものでなければならない。(二重関係の法則)
3. まず正確に---少なくとも執筆する以前に、「私はこれこれのことはこう話し、講演しよう。」と知っていなければならない。書くことは、ある種の模倣にちがいない。
4. 執筆者には講演者のいろいろな方法が欠けているから、一般的に執筆者は講演の表情豊かな方法を模範にしなければならない。講演のコピー、書かれたものは、どうしても非常に色あせたものになろう。
5. 生命の豊かさは、身振りの豊かさによってあらわれる。われわれは、すべてを、すなわち、文章の長短、句読法、単語の選択、休止、論証の順序を---身振りとして感ずることを学ばなければならない。
6. 複雑複合文には資格を持つ人は、話すときに呼吸の長い人である。多くの者には複雑複合文はある種の気取りである。
7. 文体が証明すべきことは、書く者が自分の思想を信じていること、そしてそれを考え、さらに感じていることを証明することだ。
8. 教えようとする真理が抽象的であればあるほど、それだけ一層まず、感覚を真理の方へと誘惑しなければならない。
9. 優れた散文家の手段選択の正しい感覚は、詩に密接に接近しながら、それでいて、決して詩の世界に踏み込まないことだ。
10. 読者より先に、比較的簡単な異論を前もって言うのは、礼儀正しいことでも、賢明なことでもない。きわめて礼儀正しく、賢明なのは、われわれの英知の究極的な核心を自分の読者自信に述べさせようとすることだ。