抜粋1 まだほんの子供だった頃、ぼくは讃嘆の眼で見つめたものだ、いつも徒刑場に閉じこめられているけっして妥協しない囚人を。彼が滞在したおかげでなにかしら神聖な場所となった宿屋とか貸し部屋を、ぼくはあちこち訪ねた。青空や野良に花開いた仕事を、その男の思想でもって眺めた。町から町へと、彼の宿命の匂いを嗅いでまわった。彼は聖人をもしのぐ強い力を持ち、旅人にもまさる判断力を持っていた---しかも その栄光とその道理の証人としては、自分ひとり、ただ自分だけだった!