「閉鎖病棟の絆」


 今日は久し振りに君の電話をもらった 北本敦子よ
 君はとても醜くて原始の本能剥き出しのいかれた女
 初めて閉鎖病棟に入った時に君と戯れたことは忘れはしない
 とても可愛い僕を君は猫可愛がりしてくれたね
 もうあれから8年が経つ
 もう何もかも変わってしまった
 僕はロックはやめたし醜く太っておじさんになった
 煙草も吸うようになったし女も知った
 初めて女の子とも付き合っているけれど 十分満足しているけれど あの閉鎖病棟の仲間達との邂逅はやはり忘れられない
 君も一応は仲間の一人だ
 僕と君 何もかも変わってしまったけれど 二人の独特な絆は変わりはしない
 裏切った仲間達 忘れ去った仲間達がもう一度帰ってくるようだ
 日本の感性の最も鋭い資質は閉鎖病棟にある
 あの素敵な素敵な仲間達との邂逅は忘れられないよ 閉じ込められるのは嫌だけれどもう一度帰り たい
 深夜何度も病棟まで歩いて行っては切なく仲間達のことを想った
 何度も面会に行っては再びあの素敵な出会いが戻ることを祈った
 でもどいつもこいつも裏切っているんだなあ 
 いかれた狂女の北本敦子よ 
 君と話していると再び僕の故郷に帰れそうだ
 君は偉大な歌手になる
 僕は萩原朔太郎になる
 あの素敵な出会いは幻ではない
 真実だ


   by ひかる 2003/12/24