ふるさとの夜に寄す



 やさしいひとらよ たづねるな!
 ---なにをおまへはして来たかと 私に
 やすみなく 忘れすてねばならない
 そそぎこめ すべてを 夜に......

 いまは 嘆きも 叫びも ささやきも
 暗い碧の闇のなかに
 私のためには 花となれ!
 咲くやうに にほふやうに

 この世の花のあるやうに
 手を濡らした真白い雫の散るやうに---
 忘れよ ひとよ......ただ! しばし!

 とほくあれ 限り知らない悲しみよ にくしみよ......
 ああ帰つて来た 私の横たはるほとりには
 花のみ 白く咲いてあれ! 幼かつた日のやうに