抜粋1
彼に対して、きらめく兜のヘクトールは死に瀕しながらも話しかけた。
「まさにおまえの本性がよくわかった今、私は死を目の当たりに見る。説得などすべきではなかったのだ。実際、おまえの胸の中には、鉄でできた心がある。しかし私が、神々のおまえへの怒りの原因とならないように、心せよ、いかにおまえが強かろうとも、パリスとフォイボス.アッポローンがスカイア門のところでおまえを滅ぼすであろうその時に。」
このように話している彼を、死の最期が包んだ。
魂は四肢から、冥府へと飛び去って行った、
おのが運命を嘆きながら、雄々しさと若さとを後に残して。
もはや死んでしまった彼に対して、輝くアキッレウスは話しかけた。
「死ね、私は死を受け入れるつもりだ、
ゼウス、あるいは他の不死なる神々が、それを果たすことを望むときに。」