序の歌



 しづかな歌よ ゆるやかに
 おまへは どこから 来て
 どこへ 私を過ぎて
 消えて 行く?

 夕映が一日を終らせよう
 と するときに---
 星が 力なく 空にみち
 かすかに囁きはじめるときに
 
 そして 高まつて むせび泣く
 絃のやうに おまへ 優しい歌よ
 私のうちの どこに 住む?

 それをどうして おまへのうちに
 私は かへさう 夜ふかく
 明るい闇の みちるときに?