「氷の立像」




 心臓を血液に
 脳をモルヒネに
 性器を愛液に浸す
 地球を掌にのせ
 地殻をかち割り マグマを飲み干し
 全宇宙を両手一杯に抱え
 握り潰す
 気が付くと 周りの人々が全て同じことをしていた
 誰かが涙をこぼしながら叫んでいた「愛! 昇華の行き着いた愛!」 何度も.... 何度も....
 赤い水晶が現れた そしてそれは粉々に砕け散った
 彼らの愛の形は壊れた
 そして彼は敗れた

 誰も何も口にしなかった
 人々は魂を凍らせながら
 ずっとそこに立っていた
 




                by ひかる  1993/6/6