「泣くために産まれて来た」


 中上健次の小説ではいつも誰かが泣いていた
 なんでか僕にはわからないけど いつも誰かが泣いていた

 それとは違うが僕の見るところ
 人は皆 心の奥底でいつも泣いている様に見える
 日常生活や色んな災難 色んな喜び 社会の不条理
 皆泣いてる 皆泣いてる

 そして最後は究極の恐怖 究極の苦しみ
 死というとてつもない物が襲ってくる
 絶対に逃げられない とてつもない 冗談無しのヤバさ

 最後は誰もが涙を流して泣き叫ぶだろう
 「お願い助けて死にたくないよ お願い助けて死にたくないよ 誰か助けてーーー!!!」
 身もあられもない姿で 涙を流して叫ぶだろう

 そしてまたひとり 永遠の虚無の中に消え去ってゆく
 全ての記録は抹消され 恐怖の虚無に消え去っていく

 人間は産まれたばかりの赤ん坊の様に 泣くために産まれて来た


    by ひかる 2009/2/25