眠りのほとりに



 沈黙は 青い雪のやうに
 やさしく 私を襲ひ......
 私は 射とめられた小さい野獣のやうに
 眠りのなかに 身をたふす やがて身動きもなしに

 ふたたび ささやく 失はれたしらべが
 春の浮雲と 小鳥と 花と 影とを 呼びかへす
 しかし それらはすでに私のものではない
 あの日 手をたれて歩いたひとりぼつちの私の姿さへ

 私は 夜に あかりをともし きらきらした眠るまへの
 そのあかりのそばで それらを溶かすのみであらう
 夢のうちに 夢よりもたよりなく---

 影に住み そして時間が私になくなるとき
 追憶はふたたび 嘆息のやうに 沈黙よりもかすかな
 言葉たちをうたはせるであらう