「念のため」



 4人組みの警察官が3人の男を逮捕した
 銃を取り上げ全員に手枷をはめ車に押し込み連行しようとしていた
 連行中小島警察官が佐藤警察官に言った
 「気をつけろ 連中何をするか解らない」
 ふと気付くと佐藤警察官の隣りの男が自分の銃を取ろうとしていた
 「危ない!」佐藤は顔面目掛けて発砲した 血が吹き飛ぶ 即死だった
 「気をつけろ こいつら危ないぞ」
 3連のワゴンの一番後ろに1人押し込まれていた
 ふと見るとその一人の手枷が外れていた
 今度は小島が即発砲した 男は死んだ
 佐藤は言った「この二人も危ないぞ 念のため注意しろ」
 ふと気付くと佐藤の隣りの男が銃を佐藤の顔面に向けようとしていた
 俊敏な佐藤はすぐ顔面に発砲した
 「危ないところだった もう一人も気をつけよう いやそれどころじゃない 銃を突きつけて念のため用意しよう」
 残された男は言った「へへへ 旦那 銃なんか持っていませんぜ そんなものは取り下げてくんな」
 佐藤は言った「むやみに発砲しちゃならねえがこいつも危ない 念のため銃を突きつけておく 決して間違いがあってはならないが」
 じっと男を見詰める佐藤 その時男が銃を取った
 佐藤は顔面に発砲した そして悔やんだ
 「失敗した 銃などもうないはずだ あっても弾などもう入ってないはずだ」
 絶望する佐藤 ああ もうくびになるかもしれない 責任問題だ
 佐藤は銃の中身を見た「ああほら 一発も入ってない」
 小島が一応見てみた「あれ 2発入っているぞ」
 「え?」佐藤はもう一度見てみた「あれ全部入っているぞ」
 念のためということはあるものだ 俺は正解だった と佐藤は思った
 「おい この助手席の警官も危ないかもしれないぞ」佐藤と小島は助手席の警官をテープでぐるぐる巻きにした
 しばらくすると助手席の警官は銃を取り出そうとしていた
 佐藤はすばやく顔面に発砲した「こいつが裏切り者だったなんて」
 そして運転手の警官に呼びかけた 銃をよこせ お前も裏切り者かもしれない
 そんなはずないだろ と言って運転手は銃を小島に預けた 

 そのままに何もなく一行は警察署についた
 警部が出て来る 佐藤は言った「気をつけろこいつも裏切り者かもしれない」そして銃を小島とともに構える
 警部は言った「俺が裏切り者だと 何を言っているのだ お前らどうかしているぞ ふざけるとただじゃおかないぞ」
 佐藤は言った「いや貴方が裏切り者ということもあります 動かないで下さい」
 しばらくして怪しいところはないようなので警部を解放した
 その後警部は言った「お前らさっきの態度は何だ 念のため ということで俺に銃を向けるのか」
 佐藤は言った「はい もしものことがありますから 念のため
 警部はかんかんに怒っていた
 そして車のことの一件を聞いてさらに怒った
 「お前らむやみに発砲してはならないというこの国の規則を知らんのか 馬鹿者!」
 佐藤は言った「あの状況では仕方ないと思います だってこっちが撃ち殺されるところだったんですよ」
 「やり方と言うものがあるだろう そんな言い分は認められない」
 「警部 あなたはアホです」
 「アホ?」
 「そういうならばアホです だって全然解っていない」
 「この俺がアホ?いい度胸だ 念のためこいつらを処刑しろ 念のためだ 人間だ何をするのか解らない」  

 その日 佐藤警察官と小島警察官は処刑された




         by ひかる 2003/7/25