人間の四季



 四季が一年の尺度を満たすように、
   人間の心にも四季がある。
 人間の楽しい春は、透明な空想が
   あらゆる美をらくらくと取り入れる時である。
 夏は、春の甘い青春の思想を
   ぜいたく三昧に何度も思い出し、
 そういう高尚な空想に陥ることによって
   天に最も近づく時である。秋になると
 人間の魂は静かな入江を眺め、翼をぴったりと
   閉じて、のどかな霧の姿を眺めては
 満足し---門前の小川のように、美しいものを
   さりげなく流れるにまかせるのである。
 人間にはまた、青白い醜い顔の冬がある。
 さもないと 人間は人間性を捨ててしまうだろう。


                      1815年3月