大きな館は.......




 大きな館は、青銅(の武具)に
   きらきらと燦めいてゐる、軒はすつかり
 かがやく兜でよそひ立てられ、そこから垂れて
   揺らぐ真白な馬毛の房は、
 武士どもが  頭を飾る道具立てか。
   また懸け釘をかくして、青銅に
 照り映える脛当てが、あたりを囲り
   懸かってゐるのは、手ごはい矢弾の防禦のため。
 真新しい麻布の胸甲、あるは中の窪んだ
   盾がいくつも散らばつて横たはる
 その傍らには、カルキス製の剣の数、
   またはあまたの胴締めや短い上衣。
 それらはつひに忘れがたいもの、初めて
   かうした仕事に、身を打ち込んでからこの方。