作品31番




 あの男は神々にも等しいように
 私に思えてくる。おまえと向かい合って
 席を占め、甘く声を発し心を惹きつけんばかりに笑っている
 おまえの間近くにいて

 耳を傾けていることができるのだから。そのありさまに私の
 心臓は胸の中で跳ね返った。
 なぜなら私が一瞬たりともそうしたおまえを見つめていると、なにひとつ
 声を出すことすらできなくなり、
 
 それどころか舌は折れ、
 たちまち皮膚の下を細い炎が走り抜ける。
 目はまるで見えなくなり、
 耳鳴りがこだまする。

 私の中を汗がつたい落ちる。震えが
 全身を捕える。私は草よりも
 青ざめる。もはや自分が死なんばかりに
 思われてくる。