「恨みの歌だけはいつまでも響いているだろう」
都会の書店にただ並ぶ書物 膨大な知識の波
どこか物足りないが知的な学生達の話し声
窓から街を見下ろすと自信に溢れた個性的な群衆の波が見える
書店の女の店員の 僕の心の底までを見透かしたような笑み マゾヒズム......
深夜に公衆便所の匂いに陶酔しながら個室でマゾ自慰
深夜に仲間達を思い浮かべながら遊歩道でマゾ自慰 後ろにティッシュを詰めて 放尿 そして白い液を街路樹に振り掛ける
昼間の駅前で女子高生を眺め そのまま駅のトイレで直前記憶のマゾ自慰
電車の中で女の子に見せびらかす 面前でマゾ自慰
至高の快楽に沈んでゆく......
僕のプライドを打ち砕きかき消す巨大な都会
何処までも続くビルの並 工事中の建物 公園 海 道路
終わりのない悲しみの巨大な羅列は続く
漠然とそびえ立つ濁食の風にさらされた街
いかなる言葉もそこには届かず もう入り口も出口もわからない
何ひとつ取ってみても 根拠も権利もない根のない雑草の様
毎日飽食の風に吹かれ 無意味なる記録を処理し続けている根拠のない風景
都会の波動は僕を圧迫する
都会の様相は僕を打ちのめし 殺す
民主主義と歯車の洗練され尽くした言葉は僕を柔らかく殺す
引き摺り歩く瀕死の白鳥は遂に倒れるのだ
デパートでベンチに腰掛けて 僕はうずくまる
息苦しい 息が詰まる
過去の汚穢が焦りに拍車をかける
歌は見付からず 声も出ず
鏡を見ると目が濡れている まるで夢見る淫売の目の様だ
だがその目は何一つ報われないが 永遠に理想を捨てない少年の目でもあるのだ
落ち着かせる薬を口に放りこみ 発狂寸前の狂い出しそうな気持ちに耐える
僕が姿を消した後でも 恨みの歌だけはこの都会にいつまでも響いていることだろう
by ひかる 2000/1/16