夜 泉のほとりに



 言葉には いつか意味がなく......
 たれこめたうすやみのなかで
 おまへの白い顔が いつまで
 ほほゑんでゐることが出来たのだらう?
 
 夜 ざわめいてゐる 水のほとり
 おまへの賢い耳は 聞きわける
 あのチロチロとひとつの水がうたふのを
 葉ずれや ながれの 囁きのみだれから
 
 私らは いつまでも だまつて
 ただひとつの あたらしい言葉が
 深い意味と歓びとを告げるのを待つ

 どこかとほくで 啼いてゐる 鳥
 私らは 星の光の方に 眼を投げてゐる
 あちらから すべての声が来るやうに